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配線は数字やアルファベットなどの文字、もしくは配線の色によって識別されています。識別は、次のような場面、理由で必要となります。
配線の識別をしないと、正しい箇所への配線を誤ることがあります。例えば、5Vに接続する配線を誤って230Vに接続するような事例です。最悪の場合、火災や爆発、命に関わる事故が発生する可能性があります。また、例えば、運転中と停止を表示するランプの配線を誤ると逆の表示となってしまいます。作業者は停止していると思い運転中の機器に触り怪我をしてしまう、という事故が起こる可能性もあります。このような事故を防ぐためにも、配線の識別が重要であることは言うまでもありません。
配線を識別をすることで、配線図のとおり正確に配線できるため作業効率が上がり、生産性の向上に繋がります。盤を製作する際は、あらかじめ各電線を指定の長さに切断してスリーブを取り付け、端子を付けた配線一式を製作することで、配線作業が楽になります。配線の数が比較的少ない場合は識別がなくても見分けられるかもしれませんが、配線の数や接続する箇所が増えると、識別がない配線を見分けるのは非常に困難です。
配電盤などの機器に設置した制御機器類を定期的にメンテナンスする際、配線を外すことがあります。この時、配線の識別がないと、元どおりの接続箇所を把握する時間が掛かってしまいます。正確な配線の識別は、メンテナンス時の生産性向上にも有効です。
配線を識別する方法は、以下の4通りがあります。
タグやラベルに付属している平らな表示スペースに印刷し、バンドなどで配線に取り付ける方法です。コネクタにシールを貼る場合もあります。タグやラベルには直接書き込む方法が一般的です。
長所
・端子を接続した後でも取り付け可能
・付け替え可能(付け替え時に端子交換が不要)
・結束バンドの場合は配線を束ねた状態で識別可能
短所
・固定の方法によっては、ずれやすく、はがれやすい場合がある
・取り付ける工数がかかり生産性が悪い
・ダイレクト印刷やスリーブに比べコストがかかる
直接、配線の被膜やタグ、コネクタにペンで識別番号を書いたり、印刷する方法です。
長所
・シールのように外れることがない
・印刷装置が不要
・配線後でも記入できる
・任意の文字、記号が記入できる
短所
・手書きをするペンの種類によっては文字が消える可能性がある
・手書きなので読みにくい場合がある
・細い配線への手書きは困難
・書く作業に時間が掛かるため、配線が多くなるほど人的コストがかかる
スリーブ印刷は圧着端子を使用した配線など様々な配線に使用され、最もよく使われている識別の方法です。配線より大きい円筒形状のスリーブ状樹脂製品に熱転写などで印字します。印字されたスリーブは、「目印となるチューブ」という意味で「マークチューブ」と呼びます。
長所
・タグやラベルに比べコストが安い
・専用の印刷装置で量産可能
・圧着端子と組み合わせると圧着部の絶縁ができる
短所
・配線後に変更できない
・使用する端子や電線などの太さや形状、サイズに合わせる必要がある
・スプリング端子台に差し込む配線など、圧着部がない配線へ使用した場合、脱着時に外れる恐れがある
(収縮チューブ、フラットマークチューブを使用することで落を抑えることが可能)
・圧着する場合は配線前に挿入する必要がある
配線に使用する電線被膜の色によって識別する方法です。
一色だけではなく二色の組み合わせ、また色々な配色パターンでバリエーションを増やしている電線メーカーもあります。
長所
・色で判別できるので一目瞭然
・識別用のラベルやスリーブを作成、装着する工数が不要
短所
・色の数に制約があるため複雑な配線には不向き
・在庫コストがかかる
ケーブルにラベリングする際のコツと注意点を解説します。
①ラベルへ印刷する内容のルールを事前に決めておきます。
②できるだけラベル用印刷機を使用し、手で書かないようにします。手で書くと間違いやすく判別しにくい場合があります。例えば、1と7、数字の0「ゼロ」とアルファベットのO「オー」などです。③ラベルの情報はできるだけ制限しましょう。少ない文字数で識別する方がわかりやすく、配線図に記載する識別の文字数も減り見やすくなります。
ケーブルにマーカー(タグ)をつける際のコツと注意点を解説します。
(1)マーカーの種類・形状を揃えるようにします。見栄えが良くなり、配線のメンテナンスも容易になります。
(2)マーカーの位置が目視できる位置に付けます。圧着端子へマークチューブを挿入する場合は端子の向きとマーカーの位置を合わせるようにします。マーカー上の印字が目視できないとメンテナンスに支障をきたし、作業に時間が掛かる場合があります。
(3)二つの端子を共締めする場合など、マーカー同士が擦れるような取付け方をすると、マーカー外れる可能性があります。一つの端子は一つのねじで止めるようにするなど、マーカーが他の配線と擦れて外れることがないようにしましょう。
ホットマーカーSPシリーズはラベルの自動位置出マーキングに対応しています。マーカーラベルは剥がれにくく、耐久性に富んでいます。環境に配慮したPET製ラベルも登場し、電線巻き付けにも便利な、軟質タイプもあります。定寸プレカットした短片タイプと、任意長のラベル製作が可能な長尺タイプがあり、4.0mm幅から10mm幅まで対応しています。
ホットマーカーでの印刷に最適な鏡面仕上げです。6.0mm幅から12mm幅まで対応、バリ取り済で安心にご使用できます。
0.5sqから38sqの電線に対応、耐候性に優れた塩ビ製チューブで印刷が鮮明に仕上がります。配線表示にはチューブが一番適しています。
当社のホットマーカーは産業用印刷装置です。電力、交通インフラ、産業用ロボット、工作機械などの設備制御に使用する配電盤・制御盤など、さまざまな分野の配線識別用印刷で実績があります。また、自動車部品や民生機器、文具、装飾品などの分野でも使用されています。装置の使いやすさや、印字の消えにくさにおいて好評を得ています。
ホットスタンプ式ホットマーカーにはハンディタイプと定置タイプがあります。ハンディタイプは現場で作業できて操作が容易です。印刷に使用する活字には回転リング式と差し込み式がありますが、回転リングは文字選択が容易です。差し込み式は小さな文字や特殊な書体にも対応しています。活字は真鍮でできているため鉄よりも熱伝導率が高く活字の変更直後でも、安定した印刷が可能です。
サーマルヘッド式ホットマーカーは、印刷する速度が速く、美しい印字を実現しています。印刷装置に備えたセンサーやモーターによって、インクリボンやチューブがたわまないよう自動搬送するため安定した印刷ができます。仕上がりは、チューブを1個ずつ全カットする場合や、少しの領域だけ残して繋いだバラバラにならない様にチューブの一部を残した状態でカットできる半切りなど、カットするパターンが選べます。
株式会社シーティーケイ
COMPANY複雑な電気配線等を適切に識別し、確実に処理するために生まれた「ホットマーカー」は、電力、公共交通機関、産業用ロボット、工作機械、自動車をはじめ、
様々な業界で幅広く活躍しています。
シーティーケイは、この分野におけるトップメーカーとして、お客様の多様なニーズにお応えしています。