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技術コラム

結束バンドの印字
-ホットマーカーを使わない手はない-

目次

結束バンドとは、主に複数のケーブルを束ねてまとめたり、整理するための配線用資材です。
英語の"Cable Tie"に由来した「ケーブルタイ」や、「結束帯」、「結束タイ」、「配線バンド」と呼ばれることもあります。
また、インシュロック®(INSULOK®)、Ty-Rap®(タイラップ®)、Pan-Ty™(パンタイ™)と様々な名称でも呼ばれていますが、これらは登録商標となっています。
様々な呼び方がありますが、基本的には同じ物で、一般的には「結束バンド」や「ケーブルタイ」と呼ばれています。

あらゆる現場で使用されている結束バンドは、ケーブルの束やその他の部材をしっかりと固定するための便利な部材ですが、これに印字をすることでその実用性は更に高まります。それぞれの用途に応じた印字を施すことで、効率性、正確性、安全性を向上させ、小さな部材ながら、非常に重要な役割を果たしています。
 
このコラムでは、樹脂製の結束バンドに印字する方式を考察し、ホットスタンプ式の印刷機で印字した場合の長所と短所を探っていきます。それでは、さっそく詳しく見ていきましょう。

結束バンドへの印字方法あれこれ

ホットスタンプ式

複雑な配線を整理するためには、結束バンドへの印字が不可欠です。
ホットスタンプ式は、加熱した金属製の活字で顔料を結束バンドに押し付け、鮮明で正確な印刷を施すものです。そして、過酷な環境や日々の摩耗にも耐久性があり、複雑なデザインも作成できます。正しい配線トレースによって安全性と効率性を求められる現場において、ホットスタンプ式による結束バンドの表示と識別はとりわけ有効であり、プロフェッショナルから信頼される方法のひとつとなっています。
 
ホットスタンプ式プリンター
 

ホットスタンプ式の原理

ホットスタンプ式は、熱と圧力を利用して様々な素材に印刷出来る、広く使用されている印刷技術です。
ホットスタンプ式の原理は次のとおりです。
まず、印刷したいロゴやデザインの金型(活字)を作成します。
この金型を加熱、加圧し、箔(マーキングテープ)に押し付けると顔料が剥離し、被印刷物にしっかりと転写されます。
その結果、厳しい環境にも耐えることができる、高品質で半永久的な印刷結果が得られます。
結束バンドに印字した場合、その利点は、他の印字方法と比較しても特に顕著なものがあります。
 
ホットスタンプ式印刷機とは?
 

ホットスタンプ式の長所

ホットスタンプ式 では、加熱した活字を加圧して、箔(マーキングテープ)を被印刷物の表面に転写するため、顔料が被印刷物の表面にしっかりと密着し、その結果、摩耗や色褪せに強い耐久性が得られます。加熱と加圧による変形を伴う刻印は、箔の転写と同時に凹みが出来ます。この凹み跡があるので、たとえ色が剝がれたとしても判別が可能です。
また、印刷後はすぐに使用できる乾式プロセスであるため、乾燥させる時間が不要となり、より効率的でコスト削減にもつながります。
さらに、金型を交換すれば印刷内容を変更でき、箔を交換すれば色を変えられるので、被印刷物に合わせた視認性の良い色を高品質で印刷することができます。
以上の長所を踏まえると、ホットスタンプ式で結束バンドに印字することには、多大な利点があり、高品質かつ耐久性を求める企業にとって、理想的な選択肢のひとつと言えるのではないでしょうか。
 

ホットスタンプ式の短所

ホットスタンプ式は対象物に直接接触し加圧する方式なので、レーザープリント式やインクジェット式のような流れるような印刷ではなく、印刷動作に一定の停止時間が発生します。また、印刷する文字等を変更する場合は、その都度、金型を交換、配置する作業が必要となります。

サーマルプリント式

サーマルプリント式は、印刷面が平滑かつ連続した被印刷物への印刷に適しています。結束バンドの印字面は非連続型で印刷面が平滑ではない場合があり、サーマルプリンタのプリントヘッドにうまく接合しないため、結束バンドへの印字には適していません。
 
サーマルプリンティングとは

レーザープリント式

レーザープリント式は、発振器で増幅したレーザー光を被印刷物へ照射して印刷します。
レーザープリント式の利点は、非接触式であるため、ホットスタンプ式で見られる接触に要する時間が不要となることです。欠点としては、基本的に炭化による単色印刷に制限されること、排出ガスによる潜在的な環境への影響があること、初期設置費用が高額になる可能性、などが挙げられます。

インクジェット式

インクジェット式は、ノズルから液体インク滴を噴射して画像や文字を印刷します。
インクジェット式の利点は、レーザープリント式と同様に、非接触式であるため、接触に要する時間が不要となることです。欠点としては、インクジェット式の印刷物は、摩耗すると完全に判読不可能となること、排気物による潜在的な環境への影響があること、色を変更する度にインクタンクやノズルの清掃が必要なためメンテナンスコストが高くなる傾向があること、などが挙げられます。

結束バンドの印字に適したソリューションは・・・

当社のホットマーカー®は、ホットスタンプ式の印刷機です。
様々な形状や素材の被印刷物に対して、クリーンで安定した美しい印字を提供する独自の機能を備え、複雑な電気配線を識別するソリューションとして長年評価されています。
結束バンドの印字においても、幅広い場面で、継続的にご利用いただいています。
数字、アルファベットなどの金属活字(ロゴマーク等は特注)と、黒、白、赤などのマーキングテープを組み合わせて、現場環境に沿った識別しやすい印字が実現可能です。また、印字耐久性が高いので過酷な環境でもご使用いただけます。
 

多方面で長年ご愛用頂いているB200シリーズに加え、最新機種B330Pも大変好評を頂いています。
 
ホットスタンプ式プリンター
 

印字サンプルを差し上げています

ホットマーカー®の印字サンプルに直接触れて、是非、その印字品質を実際にご覧下さい。
(結束バンド・コネクタ・丸チューブ・フラットチューブ・ラベルテープ・記名板など)

株式会社シーティーケイ

COMPANY

複雑な電気配線等を適切に識別し、確実に処理するために生まれた「ホットマーカー」は、電力、公共交通機関、産業用ロボット、工作機械、自動車をはじめ、
様々な業界で幅広く活躍しています。
シーティーケイは、この分野におけるトップメーカーとして、お客様の多様なニーズにお応えしています。

ホットマーカーについて
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