BLOG

技術コラム

熱収縮チューブの印字
-ホットマーカーを使わない手はない-

目次

熱収縮チューブは、加熱することで径が収縮して固くなるチューブのことです。
ヒートシュリンクチューブ、熱収縮スリーブとも呼ばれ、主に電線や部品の保護、絶縁、防水、防蝕などを目的に、電気・電子機器、自動車などの幅広い業界で使用されています。また、ワイヤの識別、結束、補強などにも活用されています。
 
この技術コラムでは、熱収縮チューブ印刷に最適な印刷方法は何か、ホットマーカーの印刷とはどのようなものであるか、熱収縮チューブにホットマーカーを使用するメリットをご紹介します。

熱収縮チューブに適した印刷方法は・・・

あらゆる印刷方法を比較してみると、熱収縮チューブに適した印刷方法は、サーマルプリント式とホットスタンプ式と言えるでしょう。
サーマルプリント式の熱転写方式は、一般的な紙や樹脂に印刷できるため、熱収縮チューブの印刷に適しています。
また、大口径、あるいは内側に接着剤が塗布している特殊な収縮チューブについては、ホットスタンプ式がお薦めです。

熱収縮チューブの印刷方法

ここでは、各印刷方式の概要と、長所、短所についてご紹介します。

サーマルプリント式

サーマルプリント式による印刷は、様々な用途に適応した効率的な方法です。熱転写方式と直接感熱式があり、バーコードやレシートの印刷には直接感熱式が用いられ、革命をもたらしました。
 
サーマルプリント式プリンター

■サーマルプリント式印刷の仕組み

この印刷方式の核となるのは、プリントヘッドの先端にある加熱素子です。
フィルム状のインクリボン(マーキングフォイル)にサーマルヘッドを当て、印刷する部分を加熱させます。マーキングフォイルは加熱した場所のみ反応し、インクが被印刷物へ移行し固着する方式です。
熱転写方式のサーマルプリント式印刷は、明瞭、鮮明かつ消えにくいため、視認性や耐久性を求められるシーンに最適な印刷方法です。
 
関連ブログ:サーマルプリンティングとは
 
 

■サーマルプリント式印刷の長所

熱転写方式のサーマルプリント式印刷は、以下の長所を生かし幅広い用途に使用されています。
 
・高い耐久性
屋外など色あせや汚れやすい過酷な環境に耐えられる印刷です。
 
・明瞭な印刷
小さなフォントでも鮮明で正確に印刷出来ます。
 
 

■サーマルプリント式印刷の短所

様々な用途に適しているサーマルプリント式ですが、印刷対象が大きい場合や、表面に凹凸がある結束バンドなどには適していません。
 

ホットスタンプ式

ホットスタンプ式印刷は、手動やエアシリンダーによって温めた活字を上げ下げし、活字を被印刷物に押し付けることで、顔料を表面に付着させながら、様々な素材に刻印します。
ホットスタンプ式印刷の特徴は、印刷色を簡単に変更できること、平滑でない表面にも印刷できることです。印刷に適している素材としては、プラスチック成型品や制御ケーブル、結束バンドやコネクタなどの被覆電線が挙げられます。その他にも、皮革製品、厚みのある布地なども適しています。
 
ホットスタンプ式プリンター
 
 

■ホットスタンプ式印刷の仕組み

まず、印刷したいロゴやデザインの金型(活字)を作成します。この金型を加熱して箔に押し付けると顔料が剥離し、被印刷物に転写されます。液体インクや有機溶剤を使用しないため、乾燥させる時間は必要ありません。
 
関連ブログ:ホットスタンプ式印刷機とは?
 
 

■ホットスタンプ式印刷の長所

・高い耐久性
ホットスタンプ式では熱と活字でマーキングテープを被印刷物に転写しますので、マーキングテープが被印刷物の表面にしっかりと密着し、傷や色褪せに強い耐久性が得られます。ホットスタンプ式の印刷は、熱による被印刷物の変形を伴う刻印のため、箔の転写と同時に凹みが残り、たとえ色が剝がれたとしても刻印の跡が残ります。
 
・高コスパで高タイパ
ホットスタンプ式は乾式プロセスであるため、印刷を乾燥する時間が不要です。印刷後すぐに使用できるので、作業効率が上がり、コスト削減にもつながります。
 
・簡便な使いやすさ
色替えはマーキングフォイルを変更するだけ、印字内容の変更は活字を交換するだけで、高品質で鮮やかな色を印刷できます。
 
 

■ホットスタンプ式印刷の短所

ホットスタンプ式は被印刷物に接触して印字するため、流れるような印刷ではなく、一定間隔の印刷時間が発生します。また、文字等を変更する際は、その都度、活字を配置する必要があります。

レーザープリント式

レーザープリント式は、発振器で増幅したレーザー光を被印刷物へ照射して印刷します。
 
長所:印字速度
非接触式のため、ホットスタンプ式のような印字ごとの停止が不要で、スピーディーな印刷が可能なことです。
 
短所:印字色の制限/潜在的な環境負荷/初期費用
基本的に炭化によるモノクロ単色印刷に制限されること、排出ガスによる潜在的な環境への影響があること、初期設置費用が高額になる可能性、などが挙げられます。

インクジェット式

インクジェット式は、ノズルから液体インク滴を噴射して画像や文字を作成します。
 
長所:印字速度
レーザープリント式と同様に、非接触式であり、マーキングの間に一時停止しないことです。
 
短所:潜在的な環境負荷/メンテナンスコスト
印刷が摩耗すると完全に判読不可能となること、排出物による潜在的な環境への影響があること、色を変更する度にインクタンクやノズルの清掃が必要なためメンテナンスコストが高くなる傾向があること、などが挙げられます。

ホットマーカーについて

当社のホットマーカー®は、収縮チューブの印字に最適な、サーマルプリント式印刷機とホットスタンプ式印刷機です。
耐久性のある機械と専門的な技術力で、コストを抑えながら、高品質で信頼性の高い印刷ソリューションを提供します。

サーマルプリント式のSPシリーズ

スタンドアロンでもPC接続でも、データを活用した高速・連続の印字と高い生産性が人気です。
 
SPシリーズについてはこちら

ホットスタンプ式のB330P

多方面で長年ご愛用頂いているB200シリーズに加え、最新機種B330Pも大変好評を頂いています。
 
B330Pについてはこちら

印字サンプルを差し上げています

ホットマーカー®の印字サンプルに直接触れて、是非、その印字品質を実際にご覧下さい。
(結束バンド・コネクタ・丸チューブ・フラットチューブ・ラベルテープ・記名板など)

株式会社シーティーケイ

COMPANY

複雑な電気配線等を適切に識別し、確実に処理するために生まれた「ホットマーカー」は、電力、公共交通機関、産業用ロボット、工作機械、自動車をはじめ、
様々な業界で幅広く活躍しています。
シーティーケイは、この分野におけるトップメーカーとして、お客様の多様なニーズにお応えしています。

ホットマーカーについて
お気軽にお問い合わせ・ご相談ください